突然の手紙を失礼いたします。ご多忙の身かとは存じますが、最後まで目を通してくだされば幸いです。

 日頃よりエニックスの各雑誌を愛読させていただいております。
 この度、手紙を送りましたのは、休刊したギャグ王に掲載されていた『うめぼしの謎』に関することです。私はインターネットでこの作品を扱ったホームページを開いておりまして、今回はネットで『うめぼしの謎』を愛好する方々の代表という形で筆をとっています。
 そもそも、この作品の終了には多くの疑問が残りました。ギャグ王の中でもかなりの人気を誇っていたはずのこの作品が、なんの前触れもなく突然打ち切りを迎えてしまい、私たち読者はただ呆気にとられるしかありませんでした。どうしても納得のいかなかった私たちは、三笠山先生をふたたびギャグ王に呼び戻そうと、ネットで活動を始めました。3年前より始まったこの活動は現在でも続いています。
 活動の当初の目的は、三笠山先生にもう一度ギャグ王で描いていただきたいということでした。しかし、2年ほど前に三笠山先生ご自身とネット上でお話しする機会が得られ、そのとき先生は、エニックスの雑誌で執筆することに関してはあまり乗り気でないようでした。さらに昨年、ギャグ王が休刊となり、先生が戻ってくる場所そのものがなくなってしまいました。このため、私たちの活動も方針転換せざるを得ない状況となりました。
 活動のもうひとつの目的は、『うめぼしの謎』3巻の発売でした。私たちの心残りの一因となっているのが、インド編を含む数話が単行本に未収録であるということだったからです。しかし、この数話だけで単行本にするのはそちらの都合からもできない相談かと思います。連載が再開されれば3巻の発売も充分に考えられたのですが、先に述べたように、その可能性はあまり高いとはいえません。
 そこで、私たちは新たな提案を起こしました。それは、『うめぼしの謎』の愛蔵版の発売です。
 単行本1,2巻の分も含めた愛蔵版なら、最終話まですべてが一冊に収まると思います。ギャグ王が休刊になって以降は、こちらの実現に向けて活動を進めてきました。そしてこの度、そちらにお願いに上がった次第です。どうして今さら、と思われるかもしれません。けれども、この3年間で衰えるどころかますます活発になっていく活動の中で、私たちもなんらかの形で行動を起こすべきだと考えたのです。三笠山先生と『うめぼしの謎』を支持する方々のバイタリティには、この活動を始めた私自身も驚かされる面がありました。つまりそれは、この作品がそれだけ多くの人に愛され、いまだにその熱意は色褪せていないという証拠なのです。私はそんな皆様に後押しされる形で、今こうして行動を起こす決意をしたのです。
 私は三笠山先生と親しいというほどではなくとも、いくらかネットでやりとりをする機会がありましたので、編集の方々と先生との確執についてもいくらかは事情を知っているつもりです。それを知った上で、あえてお願いしています。編集にしてみれば三笠山先生はあまり好ましくない存在であったかもしれません。連載終了はやむを得ないことだったかもしれません。けれど読者からすれば、置き去りにされた感はどうしても否めないのです。私たちは楽屋裏のことはなにも知らされないまま、いきなり降ろされた幕を茫然と見つめるしかありませんでした。
 今さらその件について蒸し返して批判する意図はないことをご了解ください。ただ、あの件が私たちの活動の原点になっていることを知っていただきたいのです。あのとき置き去りにされたと感じた多くの読者が、私の起こした活動に賛同してくださり、私はその皆様に支えられてここまで来ました。愛蔵版の発売は私たちの悲願です。それに向けて、どうかご一考のほど、よろしくお願いします。
 この愛蔵版発売の活動に賛同してくださった皆様の署名も添えておきます。なにぶんネット上での活動ですので、メールアドレスを住所の代わりとしたことをご了承ください。
 最後に、見ず知らずの飯田様宛にこのような手紙を送ったことをお詫びします。三笠山先生と『うめぼしの謎』のことを最もよく理解してくださっているのが飯田様だと信じてのことですので、どうかご寛容に受け取ってくださればと存じます。

 この活動を行っている私のホームページのアドレスも併記しておきます。拙い内容ですが、ご時間の許す限りご覧くだされば幸いです。また、私への連絡は書簡でも電子メールでも構いません。そちら様からの正式な回答を期待します。